「事業再構築補助金が採択になったけれども、金融機関からつなぎ融資を受けられない・・・」このようなご相談を受ける機会が増えてきました。今回は事業再構築補助金のつなぎ融資について説明していきます。
１．補助金における資金調達方法とは？
「補助金が採択になったら、すぐに補助金がもらえると思っていませんか？」
補助金については清算払いになります。補助金で行う事業についてかかる費用については、事業者様にてまずは支払わなければなりません。そして、実際に支払ったことを証明する帳票などを添付して補助金事務局に補助金の支払いを請求します。
この仕組みを良く理解しないと、実際に補助金が採択になったにも関わらず、金融機関から資金調達が出来ずに計画を断念せざるを得ない事態に陥ってしまいます。
特に事業再構築補助金は、コロナによって影響を受けた事業者様が対象になります。そのため業況が悪化している事業者様も多いのは事実です。
今回は、事業再構築補助金におけるつなぎ融資について解説していきます。
２．事業再構築補助金とつなぎ融資
事業再構築補助金は、コロナの影響を受けた事業者様に対して思い切った事業転換を支援する補助金です。
既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスを受けて財務諸表が悪化した事業者様も多いです。
事業再構築補助金はコロナ対策の補助金のために、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者様にとっては補助金審査においてプラスに働く要素が強いです。
ただし、金融機関の融資審査においてはどうでしょうか？
コロナの影響を受けて、「赤字」「債務超過」の状態では融資審査において、プラスに働くことは無いでしょう。このように「事業再構築補助金」と「つなぎ資金」の相性は決して良いとは言えません。
３．なぜ事業再構築補助金の「つなぎ融資」が通らないのか？
「事業再構築補助金が採択になれば、金融機関も融資するはずでは・・・」と思われる事業者の方も多いかもしれません。
まず、補助金の場合は補助率が定められています。補助率２／３の補助金のケースでは１／３は自己資金にて対応しなければなりません。
また、補助金の場合は必要となる経費を一度事業者様にて全額支払う必要があります。対象経費を全額事業者様にて支払いした後に補助金を請求することになります。
つまり、金融機関は補助金のつなぎ融資を実行した後に、事業者様が倒産した場合は、融資金を全額回収できないことになります。
金融機関としては、回収出来ない可能性が高いと判断した場合は「融資をしない」という判断になる可能性が高いです。
では、事業再構築補助金のつなぎ融資については、どうすれば融資承諾になる可能性が高くなるのでしょうか？
次回、具体的な手続き方法について解説していきます。
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